山陽小野田医師会 健康ミニ講座 令和7年1月23日
原田クリニック 原田 幹彦 先生
令和7年1月23日厚狭地域交流センターに於いて、健康ミニ講座の講演をさせていただいた。『キズあれこれ』のタイトルでキズ総論、創あれこれ、傷あれこれ、救急医療の順に話を進めた。
キズの定義は広辞苑によると、切ったり打ったりして皮膚や肉が損ずること。またその箇所。けが。精神的な痛手にも言うとのこと。賛否あるが、皮膚の破綻を伴う損傷を「創」、伴わない損傷を「傷」と分類した。一次治癒、二次治癒について概説し、新鮮な創には水道水等の洗浄で十分で、消毒液の使用はかえって有害になることがあり、治癒促進のためには適度な湿潤環境が必要なこと、創の状態に応じて、外用薬、創傷被覆材を使い分けることを説明した。さらに創治癒遅延因子、局所治療の適応について説明した。
次に創のあれこれを紹介した。動物咬(刺)創は汚染創なので、基本的には縫合せずに、洗浄、抗菌剤投与、破傷風予防処置が行なわれる。最近増加傾向にある劇症型溶連菌感染症はいわゆる人食いバクテリアと言われ、皮膚の色調に注意が必要で、急に黒色変化がみられる場合は速やかに医療機関での処置が必要なことを説明した。糖尿病性足病変は神経障害、血行障害、易感染性のため、難治性である。
続いて傷のあれこれだが、ハチ刺傷に伴うアナフィラキシーショックには発症後30分以内のアドレナリン注射が必要。血管の傷の原因として、高血圧、糖尿病、脂質異常等の生活習慣病、喫煙があげられ、心筋梗塞、脳卒中、大動脈解離を発症した場合は緊急治療が必要なことを説明した。さらに心の傷は誰にでもあり、対処法は十人十色、難治性である。
最後に救急医療の現状について、救急出動件数、搬送件数ともに年々増加、現場到着時間も延伸し、10分を超えている。入院の必要のない軽症例が約4割で、救急車の利用抑制が課題。救急医療電話相談を紹介
まとめ:創が治るには適度な湿潤環境が望ましい。ハチ刺傷によるアナフィラキシーショック、心筋梗塞、脳卒中、大動脈解離は緊急を要するキズ。救急医療電話相談は#7119(小児は#8000)緊急の場合は迷わず119番