山陽小野田医師会 第48回健康ミニ講座 令和6年11月28日

長沢 医院  長澤 仁明 先生

この度は健康ミニ講座という形でお話しする機会をいただき、血圧をテーマにした話をさせていただきました。

日本での高血圧者数は約4300万人と推定されており、そのうち3100万人が管理不良と言われています。その中でも自分の高血圧を認識していない方が1400万人と推定されており、まずは自分の血圧を知ることが大事になります。家庭血圧の測定をしてみることや、健康診断を受けることで自身の血圧を把握しましょう。

血圧が高ければ脳血管障害や心不全、腎臓病など様々な病気のリスクとなります。血圧管理をすることは様々な病気の発症予防につながり、高血圧の予防や改善には減塩や適度な運動、節酒、禁煙などが勧められます。生活習慣の改善が難しかったり、改善しても血圧コントロールが上手くいかない方には降圧薬の内服を検討します。高血圧に対し降圧薬を用いて血圧を10mmHg下げると心筋梗塞の発症確率を約20%、脳卒中を約30〜40%、心不全を約30%減らすという報告がされています。高血圧自体には自覚症状がでない方が多いですが、動脈硬化を引き起こし将来の脳や心臓疾患のリスクとなってしまいます。高血圧の治療の目的は動脈硬化を予防し、将来のリスクを減らすことです。

また、高血圧に影響する睡眠時無呼吸症候群のお話を少しさせていただきました。いびきや睡眠中の無呼吸を指摘される方、睡眠中に何度も目が覚める方、日中の眠気のある方、血圧を下げる薬を複数飲んでいるのに血圧が下がらない方には睡眠時無呼吸の検査をしてみることをお勧めします。睡眠時無呼吸症候群と診断がつき、治療を行うことで薬が効きにくい高血圧が改善することもあります。

適正血圧で過ごすことは健康寿命に大きく関係します。高血圧を管理し、健康に長生きすることを目指しましょう。血圧が高値となっている方や、血圧に関して心配事がある方はかかりつけ医や近くの内科に相談してみてください。